シナリオライターの作業工程
プロットを元に物語を書いていきます。サウンドノベルとADVでは多少書き方も異なります。
シナリオライターは常に、他のメンバーの素材を、どういう風にシナリオに反映させるか考えながら書かなければいけません。それが小説と大きく違う箇所になります。
『どんよりと重たい雲はどこか、自分の心を映した鏡のようだと思った。うるさいほどの雨音の中、俺は傘も差さないで立っていた。
夏も近いというのに雨は冷たくて、まるで心まで冷え切ってしまいそうな、そんな夜。街灯の明かりだけが弱々しく、アスファルトと目の前の少年を照らしていた。少年は地面にしっかりと足をついて、俺とおなじように傘も差さないで立っている。その大きな瞳をまっすぐ俺へと向けて、髪の毛からしたたる雨水が入るのもかまわず、記憶へと焼き付けているようだった。
俺は視線を逸らし、一発だけ弾丸の込められた銃を少年に向けて握りなおした。』
これは小説の書き方です。これをシナリオの書きかたに直すと、
『(音楽 夜、雨を連想させる曲)
(背景 雨の街)
どんよりと重たい雲はどこか、自分の心を映した鏡のようだと思った。(クリック待ち)うるさいほどの雨音の中、俺は傘も差さないで立っていた。(クリック待ち)
夏も近いというのに雨は冷たくて、まるで心まで冷え切ってしまいそうな、そんな夜。(クリック待ち)街灯の明かりだけが弱々しく、アスファルトと目の前の少年を照らしていた。(クリック待ち)少年は地面にしっかりと足をついて、俺とおなじように傘も差さないで立っている。(クリック待ち)その大きな瞳をまっすぐ俺へと向けて、髪の毛からしたたる雨水が入るのもかまわず、記憶へと焼き付けているようだった。(クリック待ち)
俺は視線を逸らし、一発だけ弾丸の込められた銃を少年に向けて握りなおした。(改ページ)』
となります。サウンドノベルの場合はカギ括弧の前に何もいりませんが、ADVだと誰が言った台詞なのかわかるように、カギ括弧の前に名前を入れます。
基本的にシナリオの書き方は、スクリプト記述と似ています。出来る限り細かく指定することで、スクリプト記述がスムーズにいきますし、他のメンバーも想像しやすい文章になります。